下痢と水分の関係
下痢になるのは腸の働きに関わってきます。
まず小腸で、胃から運ばれてきた食べ物の消化や吸収が行われますが、小腸では吸収されずに残った物が大腸へと運ばれます。
大腸では小腸から運ばれた物の水分吸収が行われ、徐々に水分がなくなった物が硬くなって大便になります。
ですが大腸の長さは約1.5mもあるため、大腸の粘膜からは水分が分泌されなければ、物を次の直腸へとはスムーズに運べません。
つまり大腸は「物を大便にするために水分を吸収する」ことと「大便を運ぶために水分を分泌する」という正反対の働きを同時にしているのです。
大腸が正常なときは水分吸収と水分分泌は自然と行われています。
一方、下痢は水分吸収と水分分泌ができなくなり、結果的に物の水分が多くなりすぎた状態のことをいいます。
原因として考えられるのは、物が腸を速く移動してしまったために水分が吸収されなかったとか、腸から分泌される水分や粘液が多くなってしまったなどがありますが、これはほんの一例です。
また同じ下痢でも、病原菌による食あたりや食中毒や刺激物による下痢は、原因である病原菌を体内から排除するために起こりますので、薬などで無理に下痢を止めてはいけません。
むしろどんどん追い出すために、水分などを摂って後押ししましょう。
なによりも大腸で水分吸収がうまく行われない、または水分分泌が過剰になることによって起る下痢は、体から大量の水分を奪っているのと同じため、脱水症状を引き起こしかねません。
下痢のときは、水分補給をしっかり行わなくてはいけません。
こういう時は水よりも塩分や糖分を含んだスポーツドリンクなどの方が、体内で水分が吸収されやすいですし、急激に冷たいのは弱った胃に負担をかけます。
あまり冷えていないスポーツドリンクなどを少しずつ、補給していきましょう。
反対にストレスなどの下痢や冷えによる下痢、食べすぎ飲みすぎによる下痢などの非感染性の下痢の場合は薬の力を借りても構いません。