軽水と重水
「軽水」とは軽水素と酸素からなる普通の水のことであり、「重水」とは通常の水素より質量が2倍の重水素と酸素が結びついてできた水です。
軽水は本当に普通の水のことであり、たまに重水が混ざっていたとしても微々たるものなら影響もありません。 しかも重水は自然にできるものは少しです。 重水があるから軽水という言葉ができたというくらい、重水は作られた水です。 目的はといえば原子力発電所の原子炉において減速材として使用されています。
もともと水素は高速中性子を熱中性子に減速させるという働きがありますが、軽水では中性子を吸収してしまうために、中性子の吸収が少ない重水が減速材として用いられるようになりました。 また病院の放射線治療などにも使われています。
普段の生活で重水は必要とはされていませんし、大量に摂ってしまうと、命の危険が伴います。 くれぐれも興味本位で飲んだりしないでください。
そもそも軽水という言葉も重水に対してあるだけで普通なら「水」だけです。 ですから軽水である水の「軟水」や「硬水」の方がずっと飲み水としては美味しいですし、体にもいいです。 つまり軽水は人や動植物などの命を助け、重水は人の技術を助けるものと考えた方がいいでしょう。 自然の天然水にわずかに混ざっていることはあるそうですが、その程度なら人体に問題はありません。
ちなみに重水が危険だ毒だといわれているのは放射能関係だからではありません。 重水を飲んではいけないのは、水素結合が重要となっています。 生き物のDNA、RNA、たんぱく質などの重要な高分子は、全て水素結合による高次構造が乱されると正常に働かなくなります。 同位体は化学的性質が変わらないとされていますが、水素の場合はその質量が2倍も違うため、水素結合距離が大きく変化を起こすのです。 よって重水の中ではたんぱく質も遺伝子もその構造が変化を起こすために正常に機能しなくなるという、とんでもない事態が体を襲うわけです。
ミネラルウォーター比較サイトでも、詳しい解説が掲載されています。
水を買う時の参考にするといいでしょう。